「避妊に失敗してしまった」
「パートナーが避妊をしてくれない」
「自分でできる避妊をして身を守りたい」
このような悩みや願望を持っている人には、ピルがオススメです。
女性ホルモンが配合されているため、妊娠に関わる女性機能に作用して避妊を行います。
一昔前までは避妊は男性がするものという意識が根付いていましたが、現在では女性でも避妊ができるのです。
女性自ら望まない妊娠から自分の体と将来を守れます。
ピルは避妊以外にも生理に関する諸症状の改善に役立ちます。
「生理痛がひどくて我慢できない」
「生理前の感情の起伏が激しすぎて生活に支障をきたす」
「生理不順で将来妊娠するか不安」
といった悩みを持っている女性もピルの使用を考えてみましょう。
避妊目的でピルを選ぶ
| アフターピル | 低用量ピル | |
|---|---|---|
| 飲み方 | 避妊失敗時に服用 | 毎日1錠を服用 | 
| 妊娠阻止率 | 81~97% | 99%以上 | 
| 副作用発現率 | 55~72% | 25~90% | 
| 避妊の仕組み | ・排卵の抑制 ・着床の阻害 | ・排卵の抑制 ・着床の阻害 ・精子通過の阻害 | 
| 費用 | 約1,600円(1回) | 約2,000円(1ヶ月) | 
| 人気商品 | ノルレボ アイピル エラ など | トリキュラー マーベロン ヤーズ など | 
※妊娠阻止率とは:生理周期から妊娠の可能性がある時期に服用した時、妊娠しなかった割合
避妊を目的としたピルは2つに分けられます。
1つはコンドームや膣外射精などによる避妊が失敗した時に服用するアフターピル(緊急避妊薬)。
もう1つは日頃から服用を行う低用量ピルです。
どちらも女性ホルモンが有効成分に配合されており、排卵を抑制したり受精しても着床を防いだりして避妊を行います。
アフターピルの妊娠阻止率は81~97%、低用量ピルの妊娠阻止率は99%以上です。
商品の種類によって阻止率は異なりますが、低用量ピルの方がより確実に避妊が叶います。
副作用の発現率はアフターピルが55~72%、低用量ピルが25~90%です。
こちらも商品によって発現率が変わってきますが、アフターピルは体の変化が大きいため低用量ピルに比べて副作用が重く出てしまう傾向にあります。
低用量ピルは発現率は高いものの症状は軽度であり、服用を続けることで症状は治まります。
それぞれのピルの費用はアフターピルが1回約1,600円、低用量ピルが1ヶ月分約2,000円です。
価格で考えると月に2回以上避妊できないことがあるという人は、低用量ピルを使用した方がコストを抑えられます。
・アフターピル
稀に避妊を失敗する人、毎日の服用が面倒くさい人
・低用量ピル
常に避妊をしたい人、より確実に避妊をしたい人、避妊時の体の負担を抑えたい人
3種類の避妊専用アフターピル
| ノルレボ | エラワン | ヤッペ法 | |
|---|---|---|---|
| 妊娠阻止率 | 81%(72時間以内) | 97%(120時間以内) | 57%(72時間以内) | 
| 飲み方 | 72時間以内に1錠 | 120時間以内に1錠 | 72時間以内に2錠、12時間後に2錠 | 
| 副作用 | 72% | 55% | 50%以上 | 
※妊娠阻止率とは:生理周期から妊娠の可能性がある時期に服用した時、妊娠しなかった割合
アフターピルには、ノルレボ・エラワン・ヤッペ法があります。
最も古い方法がヤッペ法で、その後ノルレボが主流となり、近年では新しくエラワンが出てきました。
ヤッペ法とは中用量ピルを用いた避妊方法で、性交後72時間以内に2錠服用し、12時間後にさらに2錠を服用する方法です。
ノルレボは高用量ピルを性交後72時間以内に1錠または2錠服用。
エラワンは性交後120時間以内に1錠を服用します。
妊娠阻止率はヤッペ法が57%、ノルレボが81%、エラワンが97%。
エラワンが服用猶予が長いなか、高い効果を発揮してくれます。
副作用の発現率は使用する薬によって異なりますがヤッペ法がおおよそ50%以上、ノルレボが72%、エラワンが55%です。
商品によってはヤッペ法が最も副作用が出にくいアフターピルです。
ノルレボ:最も使用されているアフターピル
エラワン:服用できる時間が長い、妊娠阻止率が最も高い
4種類ある低用量ピルの選び方
| シンフェーズ | トリキュラー | マーベロン | ヤーズ | |
|---|---|---|---|---|
| 避妊効果 | 99.2% | ほぼ100% | 99.9% | ー | 
| 副作用発現率 | 34.0% | 50.9% | 25.5% | 93.4% | 
| 価格 (1ヶ月分) | 28錠:6,176円 (病院価格) | 21錠:1,790円 28錠:1,190円 | 21錠:2,430円 28錠:1,430円 | 28錠:2,690円 | 
| その他の効果 | 月経困難症の改善 | PMSの改善 | ニキビの改善 | 月経困難症の改善 子宮内膜症の改善 | 
低用量ピルの避妊効果はどれも99%を超えます。
中には月経困難症の治療薬として発売されており、避妊に関する臨床試験を行っていないものもありますが、経口避妊薬としても効果を発揮します。
副作用の発現率は商品によって異なるものの、どれも基本的に症状は軽く、服用を継続することで治まります。
商品によって避妊の効果や避妊以外で得られる効果に特徴はあるものの、基本的にはどの低用量ピルも同様の効果が得られます。
自分に合ったピルを服用するようにしましょう。
ピルの新薬とジェネリックでは価格が異なります
ピルには新薬とジェネリックがあります。
新薬とは新しい成分で作られた医薬品のこと。まっさらな状態から医薬品の開発を行うため膨大なコストがかかり、販売価格は高価となります。
ジェネリックは新薬と同じ成分を持つ医薬品のこと。新薬をもとに開発されるため、開発にかかるコストを抑えられ、低価格で販売されます。
・ノルレボとジェネリックの価格比較
| ノルレボ | 3,310円(1錠×1箱) | 
| アイピル | 1,190円(1錠×1箱) | 
・トリキュラーとジェネリックの価格比較
| トリキュラー | 1,790円(21錠×1箱) | 
| オブラル-L | 1,190円(21錠×1箱) | 
・マーベロンとジェネリックの価格比較
| マーベロン | 2,430円(21錠×1箱) | 
| ノベロン | 1,190円(21錠×1箱) | 
アフターピルは身体的・精神的負担が大きく、新薬を購入すると経済的負担までかかってしまいます。
低用量ピルは毎日服用する必要があり、妊娠を望んだり服用できる年齢が過ぎるまでは継続して服用するため、アフターピル同様に経済的負担が大きくなります。
ジェネリックを選択することで、お財布の負担を新薬購入時の1/2ほどに減らすことができます。
ピルってどんな薬?
ピルとは経口避妊薬のことであり、飲んで避妊を行う女性のための避妊方法です。
女性ホルモンを有効成分に配合しており、毎日服用することで妊娠しにくい体内環境をつくる低用量ピルと、膣内射精をしてしまった時に使用するアフターピルがあります。
低用量ピルは世界で1億人もの女性が使用しており、避妊以外にも生理痛やPMS、肌トラブルなどの改善も行えます。
アフターピルも世界中で普及されており、望まない妊娠を防いでくれます。中にはWHOが導入を後押しする商品もあります。
ピルで避妊できる理由
アフターピルや低用量ピルはどちらも避妊が可能な医薬品です。
服用するタイミングは異なりますが、どちらも配合されている女性ホルモンの作用によって効果を発揮します。
アフターピルには1種類または2種類の女性ホルモンが多量に配合されています。
服用することで排卵前であれば排卵を抑制し、排卵後であれば子宮内膜に作用して着床を阻害し、避妊を行います。
服用が早ければ早いほど受精前または着床前に作用できるため、妊娠阻止率は高くなります。
低用量ピルは毎日服用することで卵子の成長に関わるホルモンの分泌を抑制し、卵子の発育や排卵を抑制。
また子宮内膜の生成も阻害して着床しにくい子宮環境を作ります。
頸管粘液の濃度を高くする働きも持っており、頸管から子宮内へと侵入する精子を食い止めます。
・排卵の抑制
・着床の阻害
低用量ピル
・排卵の抑制
・着床の阻害
・精子の侵入を阻害
避妊以外に得られる効果
低用量ピルの服用で得られる効果は避妊だけではありません。
女性ホルモンが関係する症状の改善や予防が可能です。
・PMSや生理不順の改善
・ニキビや肌荒れ、多毛症の改善
・卵巣がんや子宮体がんの予防
・生理痛や子宮内膜症などの改善
経血として排出される子宮内膜は、分泌される女性ホルモンの量によって変化します。
自然に分泌される女性ホルモンよりも少ない女性ホルモンが低用量ピルには配合されています。
そのため子宮内膜の増殖を抑制して、月経量を少なくしたり生理痛を緩和したり、子宮内膜症を予防してくれます。
・PMSや生理不順の改善
PMSや生理不順は女性ホルモンの分泌の乱れによって起こります。
低用量ピルで体外から女性ホルモンを摂取すると、自然に分泌される女性ホルモンの量が減少。
体内の女性ホルモン量が安定するため、PMSや生理不順が改善されます。
・ニキビや肌荒れ、多毛症の改善
ニキビや肌荒れ・多毛症は、女性ホルモンの乱れや男性ホルモンによって皮脂分泌が過剰になりできやすくなります。
低用量ピルは女性ホルモンを一定にし、ニキビの原因となる男性ホルモンの分泌を抑制する働きを持っているため、肌トラブルや多毛症を改善できるのです。
・卵巣がんや子宮体がんの予防
卵巣がんや子宮体がんは生理により毎月負荷をかけることで生じやすくなります。
低用量ピルによって排卵や子宮内膜の増殖を抑制すると、卵巣や子宮体への負担が減るため、卵巣がんや子宮体がんのリスクを下げられるのです。
ピルの副作用
ピルには避妊効果があり、望まない妊娠を防いでくれます。
特に低用量ピルは避妊以外の効果も多く、女性にとってはなくてはならないものです。
しかしピルにはメリットだけではなくデメリットも存在します。
ピルを服用することで起こる副作用を確認しておきましょう。
頭痛、傾眠、消退出血、不正子宮出血、悪心、倦怠感など
低用量ピルの副作用
乳房痛、悪心、頭痛、動悸、めまいなど

 
             
            