「苦い」「もの忘れ」はハイプナイトの副作用!

ハイプナイトの副作用
ハイプナイトはルネスタのジェネリックとして、多くの睡眠薬ユーザーから愛されている睡眠薬です。即効性に優れており、特に入眠障害を抱えている人にピッタリ。
しかし、即効性があるゆえに副作用も顕著に発現する可能性もある薬です。

・ハイプナイトを試してみたい
・副作用は危険なものばかり?
・睡眠薬の副作用はいいウワサを聞かない

と思う人はハイプナイトの副作用をチェックしていきましょう!

ハイプナイトの副作用は、先発薬であるルネスタと同じです。
味覚異常や傾眠、頭痛、浮動性めまい、注意力障害、口渇、下痢、便秘などです。
ルネスタと同じ成分を配合しているため、同様の副作用を発症します。

【ハイプナイトの副作用】

30%以上 1~3%未満 1%未満 頻度不明
精神神経 傾眠 頭痛、めまい 注意力障害 神経過敏
消化器 味覚異常 口渇 下痢、便秘 消化不良、嘔吐

※KEGG「医療用医薬品:ルネスタ」より

ここでは全体の30%を占める傾眠や味覚異常、また重篤な副作用である健忘について紹介します。

強烈な苦味を感じる味覚異常

ハイプナイトの苦味
ハイプナイトの先発薬であるルネスタは、強烈な苦味を感じる薬として有名です。
ジェネリックであるハイプナイトは同じ成分を配合しているため、ルネスタと同等の苦味を感じる場合があります。
もともとアモバンという不眠症治療薬を改良して苦味を軽減したルネスタでしたが、完全には消し切れていないのです。

苦味を感じる理由は、2つあります。

・有効成分であるエスゾピクロンが苦い
・唾液から苦味が分泌されるようになる

主にこの2つが理由となりますが、実は専門家の間でも苦味を生じる詳細は判明していません。

また、味覚異常の発生頻度は3人に1人。
「我慢できるレベル」と感じる人もいれば、苦味が苦痛に感じる人もいます。

味覚異常の対処法|クエン酸と歯磨き粉に注目

有効成分であるエスゾピクロンの苦味に対抗するために、クエン酸に注目が集まっていることを知っていますか?
2019年に武庫女子大学の博士らによって発表された「飲料による苦味のマスキング」という方法から発見された対処法です。

ルネスタの苦味を和らげるような飲料の研究で水や麦茶、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、オレンジジュース、シロップを対象に実験。
実験結果では、スポーツドリンクと乳酸菌飲料、オレンジジュースは水や麦茶に比べてエスゾピクロンの苦味を抑制することが判明しました。

また、医薬品の開発を行っているエーザイでは「起床時の歯磨きで苦味が軽減された」という記載もあります。

眠気を感じた時の運転は危険

ハイプナイトの傾眠
ハイプナイトは即効性があり、成分のキレがいい薬として人気を集めいていますが人によっては傾眠の副作用を引き起こす場合があります。
傾眠とは眠気のこと。
夜に眠気を感じるのではなく、活動中の昼間に眠気を感じるのを傾眠といいます。

かぜ薬を飲むと眠気を感じたことがある人もいるはず。あのようなうとうと感に非常によく似ています。
傾眠の副作用を感じている時に車の運転をすると事故に繋がるので、運転や機械の操作をしないようにしましょう。

眠気の対処法|量を見直す!

ハイプナイトを飲んだ翌日に眠気が残っている人は、成分量が身体に合っていない可能性があります。
ハイプナイトは1~3mgまで販売されています。
初めて服用する人は、1mgからスタートするようにしましょう。
いきなり2mgや3mgから飲み始めると、翌日に眠気を引きずる可能性が高いため日中活動に支障をきたします。

もしハイプナイト1mgでも眠気を引きずっている場合は、そもそも薬が身体に合っていない可能性もあります。
その場合はハイプナイトではなく、他の薬での治療も検討してみましょう。

記憶がない?それって健忘かも

健忘とは
健忘とは、即効性があるハイプナイトならではの副作用です。
重篤な副作用に該当し、正式名は一過性前向性健忘。もうろう状態とも呼ばれています。
即効性がある睡眠薬ではよく知られている副作用です。

ハイプナイトを飲んだ後に作業を続けると

・身に覚えのないケガがある
・食べ散らかした跡があるが覚えていない

といった状況を作り出す可能性があります。

ハイプナイトを服用した後にすぐ眠れる体制をとらず作業を続けていると、もうろう状態になり、翌朝になると作業していた時の記憶が欠けているという状況を引き起こします。

健忘の対処法|飲むタイミングに注意

健忘に対処するには、飲むタイミングを厳守するという方法しかありません。
ハイプナイトの健忘は飲んだ後に記憶がなくなる一過性前向性健忘なので、飲んだ後はすぐに就寝できるような体制をとってください。
またお酒とハイプナイトを併用すると健忘を引き起こしやすくなるので、ハイプナイトを飲む予定がある日は寝酒をしないようにしましょう。

ハイプナイトは飲んでから30分~1時間ほどで効果を発揮します。
効果を発揮する時間も人それぞれですが、即効性に特化した薬に変わりありません。
眠る前に家事や、やらなければならない作業が残っている場合は全部終わらせてからハイプナイトを飲むようにしましょう。

ハイプナイトの依存性について

ハイプナイトの依存性
睡眠薬を服用する上で懸念になりがちな依存性。
「クセになるから飲みたくない」と思っている人もいるのではないでしょうか?
ハイプナイトは昔の睡眠薬よりも依存性が軽減されており、安全に使用できるといわれています。
先発薬であるルネスタの実験では、12ヵ月連続で使用しても依存性や薬物耐性が見られなかったことが判明しています。
専門家の中には「睡眠薬よりもアルコール中毒の方が危険だ」と考えている人もいるほど。
正しく使用をすれば安全性に特化した薬なのです。

しかし「安全だから」といっても個人差があるので、漫然と長期間使用を続けるのはもちろんNG。

ハイプナイトを使用する際は、短期間で集中治療するように心がけましょう。
依存性への対策として、質の良い睡眠をとることやアルコールとの併用はしないという方法もあります。